当院のワクチンに対する考え
病気はなってから治すより、病気になることを予防したほうが明らかに優れています。ワクチンはコストや副反応(副作用)のリスクを考えなけばならないものの、病気の予防に対して大きな効果を発揮する数少ない医療行為と考えております。ワクチン予防接種によって予防できる病気をVPD(Vaccine Preventable Disease)と呼びます。
※当院では20歳以上の成人(インフルエンザワクチンは10歳以上)を対象にしております。
ワクチンとは?

病原体(細菌、ウイルス)の成分または病原体そのものを投与することにより、感染症(人にうつる病気)を予防する医薬品です。特定の病原体に対する体の免疫(病原体と戦う力)を強くして、以下の効能を持ちます。
- 1、病気にかかりにくい
- 2、病気が症状としてでにくい
- 3、病気にかかっても軽くする
ワクチンの種類
-
・生ワクチン
毒性を少なくした生きた病原体を使用。免疫効果は長く続くが、まれにワクチン自体による感染症状が起こる。例 麻疹、風疹、おたふくかぜ(ムンプス)、水痘、BCG(結核) -
・不活化ワクチン
化学処理により死んだ病原体やその一部を使用。免疫効果の持続時間は短い。例 季節性インフルエンザ、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、肺炎球菌、狂犬病 -
・トキソイド
病原体の作る毒素を無毒化したもの。免疫の持続時間は短い。例 破傷風、ジフテリア
インフルエンザワクチン
<注意>
2021年度のインフルエンザワクチンは予約制になりました。
お電話または受付にてご予約お願いします。
10月1日より接種開始しております。
コロナウイルスワクチン接種から2週間経過してからインフルエンザワクチンの接種が可能です。
また、コロナウイルスワクチンもインフルエンザワクチン2週間後以降から接種が可能になりますのでお気を付けください。
インフルエンザとは?
インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状、また、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。乳幼児では脳症、ご高齢の方や免疫力の低下している方では肺炎を伴うなど重症になることがあります。
ワクチン予防接種の効果
インフルエンザに絶対にかからないわけではなく、ある程度の発病を阻止する効果があり、又かかっても症状が重くなることを防いでくれます。我が国の高齢者での調査では約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったとのことです。不活化ワクチンです。
接種時期
ワクチン予防接種の効果が出るのに2週間、そしてその効果は5か月続きます。よって、我が国の流行の時期(12月~3月)を考えると12月までに接種をお勧めします(12月以降の接種もできます)。当院での接種開始は10月1日以降の予定です。
費用
3,800円(税込み)
当院での対象者
-
・対象年齢
3歳以上(2歳以下の患者様は最寄りの小児科様などでお願いいたします) -
・回数
1~2回
注1)13歳以上は1~4週間間隔をおいて2回接種できます。
注2)13歳未満は2~4週間間隔をおいて2回接種が基本です。
※20歳未満の患者様は保護者様の同伴をなるべくお願いいたします。
※3-14歳の方は保護者様に同伴していただけないと接種できません。
※15-19歳の方は、原則保護者様同伴ですが、保護者さまの同意書があれば単独来院での接種を承っております。→保護者様の同意書のダウンロードはこちら
※65歳以上の患者様は、公費負担が利用でき、自己負担1,000円でインフルエンザワクチン予防接種を受けられます。ご利用ください。
※妊娠中の方は当院では妊娠13週以降の方が対象です。12週以内の妊婦さまは最寄りの婦人科、内科などでご相談お願いします。
※チメロサールが使用されていないワクチンはございません。
接種できない方
- ・2020年10月より、生ワクチン同士は27日以上空けないと接種できませんが、それ以外のワクチン接種間隔に関する規定はなくなりました。
- ・明らかな発熱がある方、過去にインフルエンザワクチンで重症なアレルギーがあった方など。
副反応
接種部の発赤・腫れなど。
接種までの流れ
水痘ワクチン
水痘とは?
水痘ウイルスが感染して、発熱や全身に水疱ができる感染症です。俗に、「水ぼうそう」と呼ばれます。冬から春にかけて流行します。主に小児が感染しますが、成人に感染すると重症化する傾向があります。また妊婦が妊娠20週以内に感染すると先天性水痘症候群が胎内のお子様に発生する可能性があります。
ワクチンの効果
-
・水痘への効果
高い予防効果があります。ただし、小児期の1回接種のみだとワクチン予防接種後にもかかわらず水痘に感染することがあります。ただし、その場合は軽症例が多いです。こういうことから小児の場合は任意接種として2回接種を勧める向きがあります。
費用
- 1回 8,370円(税込)
当院での対象者
-
・水痘ワクチン
年齢 20歳以上の成人。水痘にかかったことが無く、水痘ワクチン予防接種歴が0~1回の方または予防接種歴が不明な方。
※19歳以下の方は内科、小児科さまなどでご相談ください。
※ご希望の方は水痘ワクチン予防接種が必要かどうかを血液検査(抗体検査)(自費)で行っております。
・抗体検査料 4,400円(税込)
ただし、抗体検査結果にて続けてワクチン予防接種となった場合は、予防接種料金を2,000円引きといたします。
接種できない方
- ・発熱している方、妊娠中(接種前1か月、接種後2か月以上は避妊が必要)、水痘ワクチンにて重症なアレルギーがあった方など。
- ・2020年10月より、生ワクチン同士は27日以上空けないと接種できませんが、それ以外のワクチン接種間隔に関する規定はなくなりました。
副反応
- 発熱、発疹など。
接種までの流れ
帯状疱疹ワクチン
注意)シングリックスは取り寄せになります。1回受診してご相談ください。
帯状疱疹とは?
子供のころなどに水痘(水ぼうそう)にかかったことがある場合、その水痘ウイルスが、体の中の神経に潜伏してしまいます。そして何十年も経ってから、何らかのきっかけ(疲れ、ストレス、免疫低下など)で再度増殖し、神経を伝って皮膚の上にウイルスが出てきます。それが帯状疱疹です。
この帯状疱疹ウイルスは皮膚と神経で暴れますので、痛みが皮膚に起こります。ところが、皮膚の症状が治まってもこの痛みが続くことがあり、3か月以上続くと帯状疱疹後神経痛と呼ばれます。発疹がひどい場合、痛みが強い場合、60歳以上の高齢者の場合は神経痛が残りやすいと言われています。
ワクチンの種類
弱毒化生ワクチン(ビゲン)と不活化ワクチン(シングリックス)があります。
- ・ビゲン
安くて1回の接種で済む。効果は良好。 - ・シングリックス
ビゲンより高額で2回の接種が必要だが、効果はさらに高い。 という特徴があります。
帯状疱疹ワクチンの比較
ワクチン名 | ビケン | シングリックス |
---|---|---|
種類 | 弱毒化生ワクチン | 不活化ワクチン |
発症予防効果 | 約50%減 | 約97% ※50歳以上 |
効果持続期間 | 約5年 | 9年以上 |
接種回数 | 1回 | 2回 ※2回目は2~6か月あける。 |
価格(税込み) | 8,370円 | 22,000円(1回)※2回必要 |
副反応 | 痛み、腫れなど | 痛み、腫れ、筋肉痛など(ビゲンより強い) |
費用
- ・ビゲン
1回 8,370円(税込) - ・シングリックス
1回 22,000円(税込)。2~6か月あけて、2回接種(合計44,000円)が必要です。
当院での対象者
-
・帯状疱疹ワクチン(水痘ワクチンと内容は同じです)
年齢 20歳以上の成人で、特に50歳以上の方。50歳以上になると免疫が低下して帯状疱疹になりやすくなるためです。
接種できない方
- ・発熱している方、妊娠中(接種前1か月、接種後2か月以上は避妊が必要)、水痘ワクチンにて重症なアレルギーがあった方など。
- ・2020年10月より、生ワクチン同士は27日以上空けないと接種できませんが、それ以外のワクチン接種間隔に関する規定はなくなりました。
副反応
- 注射部位の腫れ、痛み、筋肉痛など。
風疹ワクチン、麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)
風疹とは?
風疹ウイルスが感染して、発熱、全身の発疹(融合しない)、リンパ節が腫れるなどの症状がでます。春先から初夏にかけて流行します。妊娠初期に感染すると、お子様に先天性風疹症候群が発生する可能性があります。
麻疹とは?
麻疹ウイルスが感染して、発熱、発疹(融合する)、結膜炎症状、上気道炎様症状などがでます。重症になると肺炎を起こすことがあります。春から初夏にかけて流行します。
ワクチンの効果
生ワクチンで、高い効果が期待できます。1回接種では免疫がつかない又は免疫が弱い方もみえますので、現在はさらに高い効果を期待して小児の場合は定期接種で2回予防接種が行われていますが、以前は定期接種が行われていなかった又は1回のみの世代があり、H25年の風疹大流行の一因となっております。
・抗体検査料 4,400円(税込)
ただし、抗体検査結果にて続けてワクチン予防接種となった場合は、予防接種料金を2,000円引きといたします。
■資料(風疹含有ワクチン定期接種状況)
男性 | 女性 | |
H2年4月2日以降生まれ | 2回個別接種 ※ | |
---|---|---|
昭和62年10月2日~ H2年4月1日生まれ |
個別接種1回 | |
昭和54年4月2日~ 昭和62年10月1日生まれ |
中学生時に個別接種1回 | |
昭和37年4月2日~ 昭和54年4月1日生まれ |
定期接種なし | 中学校で集団接種1回 |
昭和37年4月1日以前生まれ | 定期接種なし |
※平成2年4月2日~平成12年4月1日生まれの場合、2回目接種率が低い可能性あり。
参考資料:城西雄太,福森則男,杉岡隆:実践!変わりつつある予防接種,治療 Vol.95,No.8(2013.8) p1503-1509
費用
- ・風疹ワクチン 6,280円(税込)
-
・麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン) 9,420円(税込)
※一定の条件を満たしたお子様には定期接種が行われています。
当院での対象者
20歳以上の成人。風疹や麻疹にかかったことがなく、それぞれのワクチンの接種回数が0~1回または接種歴が不明の方。風疹や麻疹の既往が不明の場合も対象です。
※19歳以下の方は内科、小児科さまなどでご相談ください。
※ご希望の方は、風疹または麻疹風疹混合(MR)ワクチンの予防接種が必要かどうかを血液検査(抗体検査)(自費)で行っております。
・抗体検査料 4,400円(税込)
ただし、抗体検査結果にて続けてワクチン予防接種となった場合は、予防接種料金を2,000円引きといたします。
接種できない方
- ・発熱している方、妊娠中(接種前1か月、接種後2か月以上は避妊が必要)、風疹または麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)にて重症なアレルギーがあった方など。
- ・2020年10月より、生ワクチン同士は27日以上空けないと接種できませんが、それ以外のワクチン接種間隔に関する規定はなくなりました。
副反応
- 接種部の発赤、発熱、発疹など。
接種までの流れ
<注意>
2020年度のインフルエンザワクチンは予約制になりました。
以下の流れとは異なりますので、ご注意ください。
Step1
各ワクチンの予診票と説明書を印刷して熟読し、予診票にあらかじめ記入できる範囲で記入をしておいてください。
未成年の場合は保護者同意書を印刷し、保護者様に必要事項を記入していただいてください。
帯状疱疹ワクチンの説明書、予診票は医院で熟読、ご記入ください。
↓
Step2
ワクチン在庫の有無を必ず当日にお電話にてご確認ください。
↓
Step3
オンライン順番受付又はお電話の順番受付(当院が初めての方のみ)又は直接窓口での順番受付を行ってください。
※詳しくは受診の方法・オンライン受付を参照。
※インフルエンザワクチン以外の診察は院長の診察日のみとなります(火曜終日、金曜午前はインフルエンザワクチン以外のワクチンの診察はおこなっておりません)。
↓
Step4
クリニックにみえましたら、体温測定、問診票記入をしていただき、順番になりましたら院長による診察の上、ご理解いただければ接種を行います。
※他の保険診療や自費治療と同時にワクチン接種が可能です。
↓
Step5
気分が悪くない等なければ、帰宅していただきます